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海外小麦の種類とラーメン、そば、うどん適性

内麦(国内産小麦)、海外小麦どちらが良いかはその用途、価値基準等一概に決められないと思いますが、小麦は9割方外国から輸入されています。麺においても、かなりの割合で海外小麦が使用されていると思われます。日本国内の小麦の年間消費量は620~630万トン。このうちアメリカ、カナダ、オーストラリアの三カ国から毎年550万トンを超える小麦を輸入しています。

~アメリカ産小麦~
HRW・・・硬質赤色冬小麦。
主産地(州)は、カンサス、モンタナ、ネブラスカ、コロラド、オクラホマ、テキサス。日本向け小麦の蛋白値は11.5~13.5%。
主用途はパンや菓子用だが、麺用ではそばのつなぎ粉などに使われている。

HRS・・・硬質赤色春小麦。
主産地(州)は、ノースダコタ、ミネソタ、サウスダコタ、モンタナ。硝子質粒の含有率によって三つのサブ銘柄に分けられる。硝子質粒75%以上のものが「DNS(ダーク・ノーザン・スプリング)」、25~75%未満が「NS(ノーザン・スプリング)」、25%未満が「RS(レッド・スプリング)」。硝子質粒が多いほど、製粉歩留まりが良く、日本にはDNSとNSが輸入されている。日本向け小麦の蛋白値は14%。
主用途はパン用だが、麺用では中華麺のコシ強化やそばのつなぎ粉として効果がある。

White・・・白色小麦。
主産地(州)はワシントン、オレゴン、アイダホ。
主用途は菓子用だが、乾麺の色調を上げる効果も。日本にはサブ銘柄のSW(ソフト・ホワイト)が輸入されている。


~カナダ産小麦~
CWRS・・・カナダ小麦生産量の2/3以上を占める主要銘柄。
ACバリーという品種が全体の36~38%を占め、このほかサスカチワン州で主流のティールなど、30品種で構成される。新品種の登録は、カテップワという品種が収量や品質の基準となっており、基準以上の品種でなければ、新品種として認められない。
蛋白値は13.5~14.5%で、パンや麺にした場合の特徴に、
①蛋白値が高いので、やわらかくモチモチした食感を引き出す
②パンがふっくら仕上がる
③伸張性が良く、木目の細かい生地ができ、ピッツァや中華麺に最適である。
優れたグルテン特性と高い吸水性がコシや粘りとなり、パンや麺適性が良いと評価されている。

等級は4つに分かれており、日本には最上位の1CWを輸出。
1CWは他の等級に比べ、
①來雑物が少ない
②製粉歩留まりが良い
③色相が良い
④テストウエイトが高い
⑤アミログラフが高い
⑥発芽された種は認めない
といった品質に優れた小麦。

デュラム小麦・・・カナダ輸出量は世界で取引されている約2/3を占め、その品質は世界が認める。特に日本には4等級中、上位クラスを輸出している。11品種で構成され、カイルという品種が生産量の約半数を占めるが、最近増加傾向なのがACアボンリーである。
その特徴には、カイルに比べ、
①反収が多い
②蛋白値が高い
③色が黄色みを帯びている
がある。
このほか、麺のコシを出し、アルデンテ状態にするのに最適なACモース、アボンリーよりもグルテンが強く、食感の強さ、より黄色みを強調するACナビゲーターも人気の品種。

CWHW・・・CWRSを品種改良した硬質春小麦。
特徴は、
①白い麬が多く、製粉歩留まりが良い
②蛋白値は13~14%で中華麺適性に優れる。
すでに、東南アジアに輸出している。
日本の研究機関にサンプルを渡し製麺試験を依頼しており、カナダ小麦局では、豪州産のPHに匹敵する小麦として期待している。


~オーストラリア産小麦~
ASW・・・300品種ある中で、日本のうどんに適した品種は、Eradu、Cadoux、Arrino、Calingiriのわずか4種。
日本向けASWは、日本専用に開発されたもので、ヌードル小麦60%とプレミアムホワイト40%の混合比率となっており、これまで日本の製粉協会が要望する色調や食感ニーズに合わせて改良を重ねてきた。
日本向け小麦の蛋白値は、10~11%。麺の食感は、小麦粉中の成分の灰分、蛋白、澱粉粘土に影響されるが、その食感の硬さと粘弾性のバランスが非常に良いと、評価されている。

プライムハード・・・2002年度、専増産ふすま制度が廃止されたが、現在食糧庁では食料用小麦として輸入。ハード系小麦50品種から特徴のある15品種を選び、品質を安定させるためブレンドしている。日本向け小麦の蛋白値は13~14%。黄色みがあり、粘弾性に優れた中華麺ができる。

(上記資料は2003.6月現在のものです)

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