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年越しそばにみる、そば市場

~年越しそばはほとんどの人が食べる~
ここ数年、手打ちそばブームがあり、手打ちそばセットなるものも販売されています。これは、団塊世代の方々の定年後の趣味として、また、健康志向、本物志向ともあいまってのことではないかと思います。

そうした中、麺業新聞(2007.1.26)に“年越しそばは価格の高い高品質商品に軍配が”という記事が載っていましたので紹介します。健康志向、本物志向の動向がみてとれると思います。

<製麺各社の昨年末の年越しそばの販売状況はいかがだっただろうか。1月19日号の2面で報じた通り、アサヒビールお客様生活文化研究所が年越しそば需要直前の12月20日~26日の1週間行った毎週アンケートによると、年越しそばを「食べない」という人は7.2%にすぎず、「食べる」と回答した人は92.8%にも達した。

この結果を見る限り、年越しそばの需要は根強いことがうかがえる。「食べない」と回答した7.2%の人に中にはそばアレルギーがあり、食べたくても食べられないという人も含まれていると考えられることから、ほとんどの日本人は日本そばを中心とするなんらかのめん類を食べて年を越し、新年を迎えたものと思われる。

アサヒビールのアンケート結果の中で最も注目されるのが、年越しそばについて「家でそばを打つ」と回答した人が2.3%もいたことだ。これは実は驚きの数字なのではあるまいか。「それでいいのかそば打ち男」という言葉が流行るほど手打ちそばに取り組む人が団塊の世代を中心に増えていることは認識していたが、これほどの数字が出てくるとは実は予想もしていなかった。

このことはとりもなおさず「本物のそば」を求めてやまない人々がそれだけ存在していることを証明したことになる。

年末には毎年、家の近くにある大手スーパーの年越しそばの販売状況を12月30日から1月1日までウォッチングしている。この店では一昨年までは生めん商品は価格の高い商品も安い商品も販売していたが、昨年末は価格の高い生そば2品、半生そば1品、ゆでそば1品を販売していた。

経時的に売れ行きを見ていたら、価格の高い生そば2品は31日の正午頃には完売となっていた。ゆでそば(105円)はこの時点では、まだ大量に商品が陳列されていたが、夕方6時頃には完売しており、半生そばのみがわずかに残っていた。年が明けて元日午前10時の開店とともにのぞいてみるとそばの生めん商品(半生含む)は売り場から見事に姿を消していた。いわゆる「欠品」という状態になっていたのである。その後、1月3日までは生めん類のそばがチルドめん売り場に並ぶことはなかった。

これを仕入れの失敗と見るか、それとも価格の高い=品質の高い商品を揃えるために、予想以上に売れて完売したと見るか、意見は分かれるところだろう。

編集子としては後者の見方をとりたい。

年に一度特別な思いを込めて食べる「年越しそば」くらいは、日頃は財布の中身を気にして価格の安いそばを食べていたとしても、価格が高くても本当においしいそばを食べたいという、消費者心理が働いてよく売れた、と理解したい。

加えて、「家でそばを打って食べる」という、究極ともいえるそば好きが2.3%いるということは、それだけおいしいそばを手に入れるためには金に糸目をつけない、という消費者が多く存在していることを物語っている。

焼き立てパンの店のパン類はスーパーなどで販売されているパン類の3倍程度の価格の商品も少なくない。めん類にもそうした市場が確実にあることを改めて確認した気がする。>

とあります。麺業新聞(2007.1.26)

~年越しそば、なか川の場合~
さて、なか川の昨年の年越しそばの販売状況からの印象では、景気が少し持ち直してきたのか、例年減少傾向にあった、年越しそばの需要は少し増加傾向に転じた感じがします。

近年は、食文化も多様化し、大晦日には年越しそばをどの家庭でも食べるということも無くなって来たのではないかと思っていましたが、このアンケート結果からは、ほとんどの家庭で食べられているといえるようです。

それと、大手スーパーの仕入れについてですが、前年度の実績から仕入数量を決めていると思いますので、確かに前年度より、生そば、半生そばの需要が増えたということはいえるのかも知れません。しかし、百貨店などに比べ、スーパーだと圧倒的にゆでそばの需要が多いと思いますので、あくまで、生そば、半生そば(価格の高い=品質の高い商品)の需要は一部で、おそらく、ゆでそばの需要が9割以上ではあると思います。

それと、なか川(広島県大竹市)では、年越しそばと平行してうどんの需要も多少伸びるので、西日本はうどん文化が中心ということもあり、こちらの地域では、年越しそばの代わりにうどんを食べている家庭も数%あると思われます。

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