吉田のうどんその後
吉田のうどんで、山梨県富士吉田市が市をあげてうどんに力を入れているという話をしましたが、
吉田のうどんのその後が、日経ビジネス(2007.2.26)に取り上げられていましたので紹介します。
~狙うはポスト讃岐、富士吉田市は歯ごたえ十分~
~うどんを求めて富士山麓へ~
富士山の北麓に位置する山梨県富士吉田市。市内のどこからでも、富士山の残雪の様子や沢の陰影までくっきりと見える。人口およそ5万4000人の静かな街が土、日曜日ともなるとにわかに騒がしくなる。市街地で、県外ナンバーの自動車や観光客の姿を見かけることが増える。
彼らの目的は、「うどん」だ。「吉田のうどん」と呼ばれるうどんを食べに、遠路はるばるやってくる。その最大の特徴は「歯ごたえです」と、財団法人ふじよしだ観光振興サービスの高尾満氏。「コシというより歯ごたえ、ツルツルというよりゴシゴシするという表現が当たる」というほどに、吉田のうどんは硬い。慣れるとその硬さに病みつきになる。
価格は250~300円と安い。温かいつゆに浸した「かけ」と、冷たく締めたままのうどんをつけ汁につけて食べる「つけ」が基本だ。つけ汁、かけ汁いずれも醤油と味噌をブレンドした濃いめの味つけ。茹でたキャベツや馬肉を煮たものが添えられることもある。・・・
と、あります。
そして、吉田のうどんを出す店が、富士吉田駅を中心とした半径2Km弱の市街地に50店近く密集していて、このところ観光客がふえているとのこと。
その理由として、富士吉田市などが企画して作成した「うどんスタンプラリー」のチラシ効果があるようです。このチラシには、市内の58店舗の紹介がされていて、うどん店に用意されたスタンプを3つ集めると懸賞に応募できるらしいそうです。
そして、日経ビジネスでは吉田のうどんについて、
このように結んでいます。
<地図を片手に、市内を巡り歩きながら目立たぬ店を探し当てる。
うどんの味だけでなく、店を探す過程までも楽しめるというわけだ。その点、香川県の讃岐うどんブームに近い。
東京都内から、電車で乗り継いでも、中央自動車道で走っても2時間ほど。気軽に楽しめる吉田のうどんを巡る日帰り旅行は、旅行会社によるお仕着せのパック旅行では飽き足らない、こだわりの小旅行を楽しみたい層の間でブームになっている。>(池田 信太朗)
冷凍うどんはさぬきうどん?では、
麺業新聞で「柔らかい茹で立てうどんの市場」があるのではないかという記事がありました。確かに、讃岐うどんほど硬いうどんを好む地域は少ないだろうし、これからの高齢化社会を考えると、柔らかいうどんの市場はあるように思います。
しかし、吉田のうどんでも、流行ということについて、少し述べていますが、広島つけ麺もそうであるように、「辛いとか、硬い」といったインパクトのある食べ物は、やはり人をひきつける要素があるのではないか・・・
旅行、観光といったイベントごとには、特徴のある、話題に出来る要素をもったものが必要なようです。
柔らかいうどんの市場は、どちらかというと、家庭料理の市場にあるのかも知れません。