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グルテン

~グルテン~
うどんや中華そばは何故、小麦粉を原料とするのか?それは、小麦粉からだけグルテンが採れ、他の穀物からは採れないからです。このグルテンがうどんや中華そばの独特の食感を生んでいます。

そこで、グルテンをテーマに、グルテンとはいったい何かということを考えて行きたいと思います。

~グルテニンとグルアジン~
小麦粉に水を加えて捏ね、水の中ででんぷんを洗い流すと、チューインガム状のものが残ります。これがグルテンです。

グルテンは小麦粉中のグルテニンとグリアジンという二つのたんぱく質から出来、グルテニンはグルテンに硬さを与え、グリアジンはやわらかく、べたつく性質を持っており、結合剤の役目をします。

小麦粉の種類によっても違いますが、小麦粉全体の8~10%を占めるたんぱく質のうちの約85%はグリアジンとグルテニンが占め、水を加えて、こねることによって混合結合してグルテンを形成します。

うどんを自分で打った経験のある方ならわかると思いますが、こねたり、延ばしたりする間にだんだんうどん生地が粘りや弾力を持ってきます。

これは、外から力が加えられると、水を含んで膨張したでんぷん粒(小麦粉の成分のうち約70%はでんぷん)の間にグルテンが毛細血管状に徐々に結合し、網状組織になっていくためです。

~たんぱく質は多ければいいというものでもない~
では、たんぱく質が多ければ良いうどんが出来るのかというとそうでもありません。

小麦粉は小麦の胚乳から作られますが、中心に近いほどたんぱく質の量は少ないが、良質であるとされています。

実際に出来上がったものを比べてみても、中心に近い高級小麦粉で作ったものは、より生地が滑らかでもっちりした感じになるように思います。

一口に小麦粉のたんぱく質といっても、その質的特性はさまざまであるということがいえます。

また、加水に関しても、加水率40%程度で最もグルテン量が多く出来、それより多いとグルテン量は減少するようです。

こねた生地を乾かさないようにビニールなどに包みそのまま放置しておくと熟成が進み、グルテンの形成を促進しますが、これも熟成しすぎると生地がダレた状態になり、熟成も適度ということが大切です。

~グルテンの熱変性とでんぷんのアルファ化~
うどんや中華そばを茹でると、グルテンとでんぷんは変性します。
茹でることにより、グルテンは生の状態から食べられる状態に変化(熱変性)し、粘着力を失った状態になります。

また、でんぷんはβ(ベータ)でんぷんがα(アルファ)化し、でんぷん分子の配列が不規則になる。麺は茹でた後、だんだんと粘性と歯ごたえが失われ、いわゆる伸びた状態になりますが、この原因は水分が徐々に中心部に浸透して行き、水分勾配が均一化されることと、もう一つは、でんぷんの分子が再び規則的な配列に戻り、でんぷんが老化(β化)するためです。

~グルテンと塩~
うどんや中華そばを作るとき普通、塩も使いますが塩には、乾燥防止、発酵抑止、防腐作用などの効果の他、グルテンを引き締める効果があります。

しかし、この塩も、使用量が多すぎるとグルテンの変性が進んで本来の性質を失い、生地の伸張性、弾力とも少なくなります。

~まとめ~
製麺について多少の知識のある方なら、グルテンという言葉を聞いたことはあったと思います。また、生地を熟成させることで弾力にとんだ麺が出来ることがグルテンの影響だということも・・・そうはいってもグルテンとはいったい何か?というとよくわからないという方も多いのではないかと思い、今回はグルテンについてちょっと化学的に考えてみました。

うどんは、基本的には小麦粉、水、塩の3つの材料しか使いませんが、材料やその作り上げるまでの工程、また温度や湿度の違いで様々な食感を持ったうどんが生まれます。化学的な理由を理解することも、また、麺づくりにおいては重要なのではないかと思います。

~なか川の麺づくりの取り組みについて~
弊社では麺づくりにおいて、グルテンを適度に形成させるため、麺生地の圧延を繰り返し、「寝かせ」の時間を設けるようにしています。

寝かせ以外にも、麺づくりにおいて大切な要素は色々ありますが、この「寝かせ」は、おいしい麺をつくるために、欠かせない部分です。

なか川では手間を惜しまない製法を心がけ、手打ち式の冷凍うどん、卵でこねた生パスタ、冷凍煮込みラーメン、半生牡蠣うどん、半生山の芋そばなどオリジナリティーの高い各種麺を製造しております。麺製造の様子は麺製造工程、各種製品については業務用及び通販商品のページでご確認いただけます。

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