そば粉の価格
~そば粉の価格~
小麦粉については前回、小麦粉の値上がりのところでお話しましたが、これはメディア等でもかなり取り上げられているので、よく知られているところだと思います。
しかし実は、小麦粉以上に値上がりしているといえるのが、そば粉です。
そば粉は小麦粉ほど多様な食品に使われないので、メディアで報道されることもほとんどありませんが、製麺業界にとっては、かなり厳しい状況になっています。
~そば粉の自供率~
小麦粉の自給率は小学校でも習うぐらいなので、大方の人は知っていると思いますが10%ちょっとといったところです。
では、そば粉の自給率はどの程度なのでしょうか?
これもそんなに高くはなく、20%程度です。
そして、小麦粉がアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入がほとんどなのに対して、そば粉は、中国、カナダ、アメリカの順で、その中でも中国が8割を占めています。
最近何かと問題の多い中国ですが、価格は国内産そばの1/10程度と非常に安かったのですが、その中国産そばが値上がりを始めました。
~値上がりを続ける中国産玄そば~
今回のそば粉の値上がりも大変厳しいのですが、これまでも、そば粉は値上がりを続けています。
今回のそば粉の値上がりについては後でお話することにし、まず、最近5年間の値上がりの様子をみてみましょう。
中国産玄そばの45kg当たりの東京・問屋卸価格の年間単純平均価格をみてみると
<値上がり率>
平成15年 1,980円
平成16年 2,130円 7.6%
平成17年 2,470円 16.0%
平成18年 2,992円 21.1%
平成19年(予測)3,300円 10.3%
このように年々かなりの上昇を続け、4年間で66.7%も上昇したことになります。
昨年から値上がりを始めた輸入小麦も、この4月を含めて合計40%少々ですから、中国産玄そばの値上がり率がいかに大きいかわかります。
~中国玄そば値上がりの新しい要因~
これまでも、小麦粉と同じくトウモロコシなどの転作が増えたことや、中国のそばの需要増加などの要因で値上がりを続けてきましたが、ここにきて新しい値上がりの要因が増えました。
中国が玄そばに輸出関税を課すようなったことと、増値税が廃止されたことです。中国は、今年1月1日から、20%の輸出関税を課すようになり、また、増値税の還付制度が2月末で廃止され、5%の戻し税が取りやめられました。
この2つの要因だけで玄そばの輸出価格が25%値上がりすることになります。
~値上がりの中で~
価格改定のお知らせ、小麦粉の値上がり、そして、今回の「そば粉の価格」と値上がりの話が続いてしまいました。
しかし、主要銘柄の小麦粉はじめ、それ以上の値上がりとなっているスパゲティの原料でもあるデュラム小麦、そしてそば粉、また燃料費や包装資材なども値上がりし、何から何まで値上がりという感じです。
経費削減は企業努力として当然行わなければなりませんが、今回、なか川でも相次ぐコストの値上がりの中、製品の値上げを行うこととなり、お客様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、その分、更に満足していただける麺づくりを行って行かなければならないと思っています。
大変厳しい昨今ではありますが、変わらぬご愛顧をいただけますよう宜しくお願い致します。
そば粉の価格-2008.4.8