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食のインターネット通販

~インターネット通販の普及について~
なか川がホームページを開設したのは平成12年で、今から7年前。当時は会社のパソコンも確かウィンドウズ98でした。あれから7年。ウィンドウズはビスタになり回線も光ファイバーに変わってきました。ハードもソフトも進歩し、インターンネット通販も発展してきたのでしょうか?

農林漁業金融公庫が実施した、インターネットを利用した食料品の購入状況のアンケート結果ををもとに考察していきたいと思います。

調査期間は平成17年7月、2,094人の主婦を対象として行われています。

~食の志向は「健康・安全」~
食品のテレビでの健康情報の正確性や企業の安全管理などが問題となる事件が問題になっていますが、平成17年の時点でも、食の志向の1位は「健康・安全」となっています。

1位 健康・安全志向 26.4%
2位 美食志向 20.6%
3位 経済性志向 15.2%
4位 手作り志向 10.6%
5位 国産志向 9.2%
6位 簡便化志向 8.0%
7位 粗食志向 5.8%
8位 ダイエット志向 3.0%
9位 外食志向 0.8%
10位 高級志向 0.5%

やはり、口に入れるものですから、健康・安全志向が1位にくるのは当然の結果といえます。冒頭に書いたように、この調査の後もニュースになるような事件が起きていますので、今はもっと健康・安全に対する意識は高くなっているかも知れません。

また、年代別に見ると傾向として、健康・安全志向は年齢とともに高まっており、60歳以上で36.8%と最も高くなっています。一方、2位の美食志向は25~29歳(26.3%)が最も高く、25歳~44歳では1位、経済性志向は若い人ほど高く、20歳~24歳で1位になっています。

~食の志向についての考察~
食の健康・安全の重要性については他のページでも書いているが、この調査結果は高齢者人口の増えるこれからの日本にとって益々、健康・安全志向が高まることが予測できるものとなっている。また、美食志向も行き着くところ、健康・安全志向とほぼ同じ意味合いであろうと思われるので、食の健康・安全に対する意識は非常に高いと思います。

また、若い人ほど経済性志向が高くなっていますが、逆に最も低いのが60歳以上で6.9%とお金をかけてでも健康・安全なものをという意識が高いことがわかります。

~食に関する情報の入手方法~
では、食に関する情報を何によって入手しているのでしょうか?

1位 テレビ 65.1%
2位 新聞や雑誌 54.3%
3位 インターネット 50.9%
4位 チラシや折り込み広告 43.5%
5位 友人や知人、親戚などからの口コミ 40.0%
6位 メールマガジン 6.9%
7位 その他 2.3%

これを年代別に見ると、どの年代ともテレビが1位なのですが、20~39歳では2位にインターネットが入っており、インターネットが普及してまだ10年ということを考えると、これからの通信網の進歩などによりインターネットによる情報収集は益々増えることが予想されます。また、すでに60歳以上でも39.4%がインターネットと回答しており、ここ数年でかなりの普及が進んだといえるのではないでしょうか?

また、インターネットの利用頻度の調査では、たまに利用している66.2%、ほとんど利用していない12.9%、ほぼ毎日利用している11.5%、全く利用していない9.4%となっています。9割以上に人がなんらかの形でインターネットを利用しており、ここでもインターネットの普及がかなり進んでいることがわかります。

~インターネットを利用して入手する食に関する情報~
では、インターネットで食に関するどのような情報を入手しているのでしょうか?

1位 料理や献立に関する情報 69.0%
2位 産直やお取り寄せなどの情報 54.0%
3位 美味しいレストラン等に関する情報 34.6%
4位 健康食品の情報 29.6%
5位 旬の食べ物の情報 28.0%
6位 ダイエット食品の情報 12.8%
7位 生産履歴などの安全性に関する情報 7.1%
8位 その他 1.1%

料理や献立に関する情報が1位です。
ホームページは見てもらわないと始まらない、特に企業が作っているホームページはそうで、そういった意味でも、関心の高い情報には多くのページがあり、YAHOOやGOOGLEで「料理」「レシピ」というキーワードで検索すると何千万というページがヒットします。検索エンジン自体の技術も日々高まってきており、利用者にとって有益な情報が上位に表示されやすくなってきているので、インターネットの普及とともに企業もホームページに力を入れるので情報の質も高いものになり、インターネットは今後益々利用価値の高いものになると思います。

~インターネットを利用した食料品の購入状況について~
インターネットはかなりの普及が進み、なんらかの形で9割以上の人が利用しているということがわかりました。では、インターネットで実際に商品を購入したことがある人はどのくらいいるのでしょうか?

1位 購入したことがあり、現在も購入している 42.7%
2位 過去には購入したことがあるが、現在は購入していない 28.5%
3位 購入したことはないが、購入してみたい 19.8%
4位 購入したことはないし、購入するつもりもない 9.1%

これを年代別に見ると、少し面白い結果になっています。
1位の「購入したこともあり、現在も購入している」(42.7%)人のうち一番多いのは45歳~49歳の51.9%なのですが、2番目は60歳以上の46.7%、3番目に55歳~59歳の46.3%と年齢層の高い方がインターネットでよく購入するという結果が出ています。インターネットの利用は若い人に多いが、インターネットでの購入ということになると年齢層の高い方が多いという結果は、少し面白いと思いませんか?

~インターネットで食料品を購入しない理由~
では、インターネットで商品を購入したことが無い人はどのような理由で購入していないのでしょうか?

1位 食料品なのでじかに商品の実物を確認したいから 45.1%
2位 スーパーなどが近くにあるから 23.1%
3位 どんな商品が送られてくるか、わからないから 11.6%
4位 購入情報等の個人情報の漏洩が怖いから 6.9%
5位 注文してから手元に届くまでに時間がかかるから 4.6%
6位 本当に送られてくるのかわからないから 4.6%
7位 その他 4.0%

1位「食料品なのでじかに商品の実物を確認したいから」と3位「どんな商品が送られてくるか、わからないから」は、意味合い的にはほぼ同じことでしょうから、実際に商品を見ることが出来ないということが、インターネット通販の最大のデメリットと言えそうです。

また、「購入情報等の個人情報の漏洩が怖いから」という最近よく問題にされる個人情報の項目やインターネットオークションなどでは事件にもなった「本当に送られてくるのかわからないから」は以外に低いという印象です。

~デメリットを解消するために~
インターネットでは実際に商品を手にとって見ることは出来ませんが、写真や商品の詳細な説明、生産者の情報をホームページに載せることがデメリット解消の手段となりそうです。

また、ブログや各種コミュニティサイト等で口コミ情報を調べることもインターネット通販で購入する場合は重要であると思います。

~購入している食料品~
今度は逆に、インターネット通販をしている人はどのような食料品を購入しているのでしょうか?

1位 お米や野菜、果物、食肉、魚介類など 59.3%
2位 ケーキやプリン、チョコレートなどの洋菓子など 43.6%
3位 コーヒーや紅茶、緑茶、中国茶など 35.3%
4位 うどんやそば、ラーメンなどの麺類 24.4%
5位 日本酒やワインなどのアルコール飲料 21.6%
6位 ハム・ソーセージなどの食肉加工品 21.0%
7位 老舗の和菓子など 19.7%
8位 冷凍食品 18.7%
9位 ドレッシングや塩、醤油など 18.2%
10位 漬物や梅干などの伝統保存食品 18.1%
11位 果物ジュースなどアルコール、
    ミネラルウォーター以外の飲料 17.4%
12位 ミネラルウォーター 14.5%
13位 ジャムやスープ、レトルト食品など 14.3%
14位 海苔やちりめんなど 13.1%
15位 パン 12.8%
16位 あじの開きなどの干物 12.1%
17位 レトルト惣菜品 10.9%
18位 チーズやヨーグルトなどの乳製品 10.8%
19位 ちくわ・かまぼこなどの練り製品 8.5%
20位 アイスクリーム 8.3%
21位 その他 7.1%
22位 ホールトマト、シーチキンなど 5.4%

1位は、「お米や野菜、果物、食肉、魚介類など」の生鮮食品です。産地直送ブームを背景に、地域ブランド力の高い生鮮食品の人気は高いようです。
そして、4位に「うどんやそば、ラーメンなどの麺類」が入っています。インターネットで商品を購入した経験のある人のうち、24.4%の人が購入した経験があるということで、約4人に1人は麺類の購入経験ありという結果になっています。

また、年代別に見ると「お米や野菜、果物、食肉、魚介類など」、「果物ジュースなどアルコール、ミネラルウォーター以外の飲料」、「ミネラルウォーター」、「老舗の和菓子など」、「漬物や梅干などの伝統保存食品」、「海苔やちりめんなど」の項目で60歳以上が最も購入しており、体に良さそうなものや長い伝統のあるもの、地域ブランド力の高いものなど、「健康・安心」なものが選ばれているようです。

一方、「ケーキやプリン、チョコレートなどの洋菓子など」は若い人で高い人気です。

「うどんやそば、ラーメンなどの麺類」は各年代に満遍なく購入されているようです。

また、輸入食料品については、8割の人が「全く購入したことがない」か「ほとんど購入したことがない」となっており、国産志向も強いようです。

~トラブル経験の状況~
では、インターネットで実際に商品を購入した際のトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか?

まず、トラブル経験の有無では、92.9%の人が「ない」と回答しています。

では、トラブル経験があった人(96人)はどのような内容なのでしょうか?

1位 届いた商品の中に劣化したものがあった 47.9%
2位 商品の到着が遅れた 18.8%
3位 その他 17.7%
4位 注文した商品の数量(個数)に誤りがあった 12.5%
5位 注文した商品以外の商品が届いた 3.1%

「届いた商品の中に劣化したものがあった」が47.7%と圧倒的に高い割合になっています。その他、商品の発送ミスによるものもまります。

~インターネットでの購入頻度~
インターネットで商品を購入したことがある人はどのような頻度でインターネット購入をしているのでしょか?

何故か調査項目が「生鮮食料品を自宅で消費するもの」に限られていますが、それでみると、ひと月に1~2回程度が30.6%と最も多くなっています。

また、ひと月の購入金額をみると5千円未満が53.2%と最も高く、続いて5千円~1万円未満が31.9%となっています。

また、今後の意向としては「現状維持」が81.6%と多く、「購入を増やしたい」14.9%、「購入を減らしたい」3.4%となっています。 

~購入開始時期~
これも「生鮮食料品を自宅で消費するもの」に限ってみると、「1~2年前」が29.7%、「1年以内」25.6%、「2~3年前」23.3%の順となっており、8割近くの人が3年以内に初めて購入しており、インターネット通販の急激な普及を物語る結果となっています。

以下の項目についても、
「生鮮食料品を自宅で消費するもの」について話を進めていきます。

~利用している食品通販サイト~
通販サイトといえば、楽天市場やYAHOOショッピングなどが有名ですが、購入者はどのような食品通販サイトで購入しているのでしょうか?

1位 ヤフー、楽天、オイシックスなどの産直等を取り扱っている専門ホームページ 71.2%
2位 農家や漁業者などの生産者のホームページ 30.1%
3位 食品メーカーのホームページ 25.2%
4位 生協のホームページ 15.1%
5位 全農や漁協などの生産者団体のホームページ 14.2%
6位 デパートのホームページ 7.9%
7位 スーパーのホームページ 5.9%
8位 その他 5.1%

やはり楽天市場やYAHOOショッピングなど「ヤフー、楽天、オイシックスなどの産直等を取り扱っている専門ホームページ」が71.2%と断然多くなっています。

これを年代別にみると、「農家や漁業者などの生産者のホームページ」、「食品メーカーのホームページ」などでは年代が高い方が、割合も高くなっています。これはとても賢い買い方だと思います。さすが人生経験豊富な方は買い物も上手ということでしょうか・・・

~インターネットを利用して購入している理由~
インターネットで購入している人は、どのような理由でインターネット通販を利用しているのでしょうか?

1位 家まで配達してくれるから 45.2%
2位 簡単に購入できるから 38.9%
3位 県外のものでも購入できるから 36.8%
4位 いつでも購入できるから 28.4%
5位 品揃えが豊富で選択肢が広いから 23.8%
6位 ネット上でしか販売されていないから 22.2%
7位 販売されている商品が信頼できるものだから 19.2%
8位 時間を節約したいから 13.3%
9位 その他 8.9%

手間や時間が省け、利便性の高さがインターネット通販の魅力といえそうです。

~インターネットを利用して購入する際に重視すること~
購入者はどのような基準で商品を選んでいるのでしょうか?

1位 価格 63.6%
2位 食味の評判 40.3%
3位 鮮度 37.8%
4位 安全性 35.6%
5位 産地や銘柄などブランド名 27.8%
6位 送料負担 20.0%
7位 販売先の信頼度(知名度) 17.9%
8位 生産者の信頼度(知名度) 14.9%
9位 支払方法(クレジットカード・現金先払いなど) 10.4%
10位 健康や栄養 8.1%
11位 その他 1.0%

価格が1位です。食の志向の1位は「健康・安全」でしたが、実際の購入段階では、「価格」が1位とより現実的?になっているようです。この辺もアンケート調査の面白いところです。

~インターネットを利用した贈答について~
では、贈答品としてはどの程度利用されているのでしょうか?
贈答品として利用したことがある人は41.8%

贈答品として利用される場合にはどのような理由があるのでしょうか?

1位 自分が食べてみて美味しかったから 51.8%
2位 高級感があると思ったから 14.8%
3位 生産者などがはっきりしていて安心だから 14.4%
4位 インターネット上でしか販売されていない商品のため、
    希少価値が高いから 11.8%
5位 その他 4.3%
6位 生鮮食料品は毎日欠かせないものだから 3.0%

やはり、贈答品ですからまずは自分で食べてみてから決める割合が高いようです。

~インターネット通販のメリット・デメリット~
最後に、上記のアンケート結果をもとにインターネット通販にはどんな良いところがあるのか、また欠点があるのかということについて考えてみたいと思います。

初めにデメリットですが、商品を直接見られないということがあり、購入の際の不安感があることもわかりました。そして、購入先としては楽天市場やYAHOO、また、生産者や販売者の知名度、商品自体の地域ブランド力など、その欠点を補う要素が購入段階では重要なようです。

ではメリットはどうでしょうか?
まず、自宅まで商品が届きいつでも簡単に購入出来るということがあります。また地元のスーパーなどでは手に入らない全国の品を購入することも出来ます。

~インターネット通販のちょっと裏話~
アンケート結果からは、大まかに言って前に書いたようなことがメリット、デメリットとしてあると考えられますが、なか川でも、このホームページで通信販売を行っているので、その経験から少しだけ販売者としての考察をしてみたいと思います。

まず、販売者としては「インターネットを利用して購入する際に重視すること」のアンケート結果に「送料負担」20.0%とあるのですが、これは、どの会社も商売をやっている以上、トータル価格にオンしてあるので、そんなに意味はないということが言えると思います。

ただ、なか川でも「3000円以上購入は送料無料」としておりますが、ある程度の数量を購入すれば送料が無料になるということは、販売者側のコストも多少安く済む(発送の手間や箱代etc・・・)ということから、これはそれなりの理屈があると思います。

また、例外的な場合として、インターネット上ではお試し商品として宣伝も兼ねて赤字でやっているキャンペーンも一部ありますので、そういった場合はかなり価格的にお得なものもあります。
(2007.4.17)

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