UA-127741596-1
top of page

焼そばの考察

~広島焼そば「極」について~
広島焼そばとはどのような焼そばでしょうか?
なじみの無い方も多いと思いますが、広島県商工会連合会が「広島焼そば鉄板プロジェクト」というものを立ち上げ、なか川の焼そばが使用されています。

麺業新聞(2010.3.26)に広島焼そばが紹介されていますので、
その記事を抜粋しておきます。

広島焼そば「極」
広島県商工会連合会~マスコミ向け発表会開く~

広島県商工会連合会は「広島焼そば鉄板プロジェクト」が企画開発した土産用商品「広島焼そば 極~きわみ~」のマスコミ向け発表会を3月11日に広島市中区の広島ガスショールーム・ガストピアセンターで開催した。同品は、瀬戸内海で育った風味豊かな広島県産の身がしまったカキと国産牛の上質でプリプリのホルモンをメイン具材にした素材厳選の“広島グルメ焼そば”。素材の魅力を引き立てる特製オリジナルソースにあっては、カキやホルモンと相性の良い味噌ダレをベースに、フレーク状の焼きガキとカキエキスを入れ、隠し味に白ワインをブレンドした上品な味わいが特徴。さらに尾道市が発祥と言われるイカ天をセットに加えている。
「広島焼そば鉄板プロジェクト」は、広島県内のお好み焼き店を含む飲食業界の活性化を目的に活動しているもので、県内のお好み焼き店で多く使われている味の名脇役、イカ天(もしくはイカ天カス)を使用した焼そばを「広島焼そば」と定義づけ「広島焼そば」匠の店の募集を行い、すでに101店舗の参加協力を得ている。同プロジェクトは6月に後継組織の「広島焼そば推進協議会」を発足させる予定。
「広島焼そば 極~きわみ~」は、4月1日から発売するが、2人前で1,500円。セットの内容は、蒸しめん2玉、カキ10個、ホルモン10個、イカ天2枚、ソース2個。製造は製麺企業の(有)なか川(広島県大竹市、中川忠社長)が行う。なお、業務用は具材(カキ・ホルモン)とソースのみを匠の店向けに発売する。
2人前1,500円という“A級グルメ”の商品として開発した理由について、同県連では「あえて高級志向で差別化を図った」としており、「一見、高価に思われるかもしれないが、独自の鉄板焼き文化が根づいた広島ならば、おいしいと思ってもらえれば仮に高価であったとしても支持されるだろう」としている。
販売目標については、土産用と業務用を合わせて、当面4,000食を目標にしている。
発売記念の試食販売は、4月1日午前11時から午後4時まで広島市中区の「ひろしま夢ぷらざ」で行う。

記事は以上ですが、
この中で「製造は製麺企業の(有)なか川(広島県大竹市、中川忠社長)が行う。」とありますが、弊社では麺のみの供給で、その他の食材及び包装の製造は行っておりません。

~B-1グランプリでも焼そばが上位に~
最近、メディアでも頻繁に取り上げられているので、ご存知の方も多いと思いますが、毎年開催されている「B-1グランプリ」では、焼そばが上位の常連になっています。

2006年より開催されているのですが、
各年の3位までを見てみます。

<B級ご当地グルメ日本一決定戦 B-1グランプリ>
2006年
①富士宮やきそば②横手やきそば③室蘭やきとり
2007年
①富士宮やきそば②八戸せんべい汁③静岡おでん
2008年
①厚木シロコロ・ホルモン②八戸せんべい汁③各務原キムチ鍋
2009年
①横手やきそば②八戸せんべい汁③津山ホルモンうどん
2010年
①甲府鳥もつ煮 ②ひるぜん焼そば③八戸せんべい汁

焼そばという括りでみると、5年間で1位3回、2位2回です。
焼そばが広く受け入れられている事が、このことからもわかると思います。

~蒸しめんと茹でめんの違い~
同じ「焼そば」でも、“蒸しめん”を使用している場合もあれば、
“茹でめん”を使用している場合もあります。

例えば
「富士宮やきそば」は、
“蒸しめん”を使用しているのに対し、
「横手やきそば」は、
“茹でめん”を使用しています。

どちらもそれぞれ特徴があり、どちらが良くてどちらが悪いとは言えませんが、焼そばの場合、“蒸しめん”が使われていることが多いです。

ここで、蒸しめんと茹でめんの製法の違いを説明すると、一般的に蒸しめんは、100℃より高い高温蒸気で蒸します。普通の状態では蒸気は100℃以上にはなりませんから、ご家庭で簡単には行えない方法です。

一方、茹でめんはご家庭で普通に麺を茹でる時と同じ様に、沸騰(100℃)したお湯で茹でます。

そして出来上がった麺がどの様に違うかというと、蒸しめんの方が独特の弾力が出る、ノビにくいなどの特徴があります。

弊社では蒸しめんは20番という切り歯で麺線に切る場合が多いのですが、これがもっと番数の小さい歯で切る太めんの場合には、茹でめんの方が良いかもしれません。茹でめんは沸騰したお湯にずっと浸かった状態で製造されますので、水分が麺の中に入りやすいからです。

(切り歯について:切り歯とは30mmの幅を何本の麺線に切るかをいいます。例えば、20番なら、30÷20=1.5mmの麺線、10番なら、30÷10=3mmということになります。)

蒸しめんにも、色々な製造方法がありますので一概にはいえませんが、「横手やきそば」が焼そばでは珍しい、茹でめんを使用しているのも、麺が太いということが大きいと思います。

~麺質の違い~
例えば、焼そばとうどんの麺の違いといったら、どのようなことがあるでしょうか?

まず、焼そばよりうどんの方が太いというのが普通です。
それから、焼そばは黄色い。
これは、卵や色粉を混ぜる場合もありますが、かん水の影響で黄色くなります。
また、硬さは焼そばの方が硬い場合が多いでしょう。
これも、かん水の影響があります。
また、前述した“蒸し”、“茹で”という製法の違いもあります。
それから、小麦粉によっても違ってきます。

以下は、大まかな小麦粉の分類です。

<小麦粉の分類(タンパク質量=グルテン量)>
・薄力粉(タンパク質8%以下)
カステラ、天ぷら
・中力粉(     10%まで)
うどん
・準強力粉(    12%まで)
中華麺(焼そば)
・強力粉(     12%以上)
パスタ、パン
・(強力粉+そば粉→日本そば)

一般的には、このようになります。
しかし、例えば準強力粉の中にも、銘柄の違いや小麦の内側ほど高級(灰分が少ない)、外側ほど灰分が多く黒っぽいなどの違いもありますし、中華麺を中力粉で作る場合などもあります。

このように、一応の分類はありますが、色々な種類の小麦粉をブレンドしたり、水、塩、かん水などの量を変えることで、様々な質の麺を作ることが出来ます。

それから、蒸しめん、茹でめんの他にも、冷凍めん、乾めんなど、同じ原材料でも製法によっても特徴は変わってきますし、基本原材料以外のものを加えることで、更に特徴のある麺を作ることも出来ます。

ですから、弊社でも、お客様から色々な麺のご要望をいただきます。蒸し焼そばは、前述の広島焼そばにも使用されている麺、1種類のみの製造しかしておりませんが、日持ちのする半生麺、冷凍麺などでは、多数の麺を製造しております。

生産効率だけを考えるなら、種類は少ない方がよいですが、なるべくご要望にはお応えしたいと考えておりますので、その結果、多くの麺を作るに至っております。

麺づくり一筋60余年になりますが、新しいご要望を頂く中で、数々の失敗もあり、試行錯誤の連続です。
しかし、それが経験となり、また新しい製品づくりの基礎にもなっております。弊社の製品のほどんどは、業務用ページや通販ページ
に載せてありますので、ご覧いただければ幸いです。

これからも、よりおいしい麺づくりに取り組んで参りたいと思いますので、宜しくお願い致します。(2010.10.13)

bottom of page
UA-127741596-1