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チキンラーメン
今まで、各地域のラーメンについて述べてきました。東京ラーメンや札幌ラーメンが初めにラーメンを誕生させたことなどありましたが、全国的にラーメンという言葉を有名にしたのは、やはりチキンラーメンでしょう。
チキンラーメンは昭和33年(1958)、日清食品の創業者、安藤百福さんによって考案されました。お湯をかけて2分で食べられるという当時としては画期的なもので、即席ラーメン第一号です。
そこには、安藤さんがチキンラーメンを考案するに至った出来事があったそうです。
1.戦時中冤罪によって留置された、食事の光景の体験・・・飢えた時の食に対する人間の欲求の凄まじさ。
2.終戦直後の冬の闇市での光景・・・寒い中、ラーメンを待つ人の行列。
3.敗戦後のアメリカからの小麦粉の配給に対し、日本政府がパンとビスケットを奨励し、ラーメンを奨励しなかった(当時の製麺業界は零細企業ばかりだったため)ことへの疑問。
そうした要因によって、安藤さんの情熱がチキンラーメンの考案に結びつく訳ですが、なぜ、醤油でも味噌でも塩でも豚骨でもなくチキンラーメンになったのでしょうか?それは、日本にとどまらず、ヒンズー教徒にもイスラム教徒にも受け入れられる味という、国外も視野に入れた発想から生まれたようです。
チキンラーメンは、日持ちがすることに加え、お湯をかけるだけで2分待てば食べられるという革新的な商品性で、高度経済成長の波にも乗り、爆発的に売れるようになります。